人と自然をつなぐ、定住委員原田さんの暮らし

① 地域の特色・魅力

稲武町自治区は、コミュニティ活動が活発で、「地域としてやりたいことが実現しやすい地域」という特徴があります。自治区内の協力的な風土により、行事や取り組みに対して柔軟に対応でき、住民同士のつながりを大切にしながら地域運営が行われています。

代表的な行事が、毎年お盆に行われる神社の祭りと盆踊りです。境内を会場に、太鼓や踊りが行われ、地元の方はもちろん、帰省した若者や、時には外国人の参加者も加わるなど、多様な人が自然に溶け込む賑やかな場となっています。太鼓は中学生から40代くらいまでが担い、かつて地域で太鼓を叩いていた人が帰省して再び参加する姿も見られます。

また、年に2回行われる林道整備には多くの住民が参加し、70人規模になることもあります。こうした共同作業や総会が、現在では貴重な情報交換と顔の見える関係づくりの場となっています。

一方で、コロナ禍以降、敬老会やレクリエーション行事が減少しており、「誰でも気軽に参加できる新しいコミュニティ活動を模索したい」という声も上がっています。

また、昔は当たり前にあった地域と外部との関わりを思い返しながら、「今の時代に合った形で復活できないか」という視点も生まれています。

② 原田さんの定住委員としての活動

稲武町自治区の定住委員として活動を始めて半年ほど経ち、まず感じたのは「意外と空き家が少ない」という点でした。完全な空き家はごくわずかで、月に数回帰省されている家や、将来的な活用予定が決まっていない家などが実情です。

空き家や空き地については、所有者との関係性や地域事情を丁寧に確認しながら、少しずつ情報収集と交渉を続けています。倒木の危険がある空き家や、道路がなく活用が難しい場所など、現地ならではの課題も多く、簡単には進まないケースも少なくありません。

それでも、地域の方から情報をもらったり、役場と連携したりしながら、少しずつ次につながる芽を探しています。

③ 原田さんのライフワークについて

原田さんのライフワークは、稲武地区の山を守り、次の世代につなぐ登山環境づくりです。 20年以上にわたり「城ケ山景を愛する会」の事務局として、登山道の整備や草刈り、展望台の設置などを継続してきました。年間を通じて登山者が訪れ、元旦登山では口コミを中心に多い年で約100人が集まり、山頂で初日の出を迎える恒例行事となっています。

また、城ヶ山の山中では、お盆の頃にオオキツネノカミソリの群生が見頃を迎え、多くの来訪者が訪れます。例年、開花時期を前に林道整備や登山道の手入れ、休憩所の清掃を行い、安全で気持ちよく山を楽しんでもらえる環境づくりに力を注いでいます。

活動資金は登山者からの協力金や寄付を大切に活用し、道の補修や資材購入、行事運営に充てられています。補助事業で基盤を整えた後は、地域内外の協力を得ながら自立的な運営を続けています。

会員は高齢化が進む一方、Iターン者など新たな担い手も少しずつ加わり、地域全体で山を守る輪が広がっています。原田さんにとってこの活動は、自然の魅力を活かし、人が集い、地域が続いていくための大切なライフワークとなっています。

💡編集部コメント

住民同士のつながりを大切にしながら、やりたいことを地域で形にしていける力のある地域です。お祭りや林道整備、山を守る活動など、世代を越えて人が関わる姿からは、暮らしの中に自然と支え合いが根づいていることが伝わってきます。原田さんの定住委員としての取り組みや城ヶ山での活動は、稲武の自然と人を未来へつなぐ、地域の大切な営みです。

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